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「低周波音被害の解決までの交渉の経過について」 2

低周波音被害の解決までの交渉の経過について」は、「ちーちゃん」様からお知らせいただきました。交渉中は、機器所有者(隣家)に嫌なことも言われたようですが、交渉相手に資料を手渡し、理解を求めていくうちにハウスメーカーがこの被害を認め、その結果、所有者から機器移設の同意を得られました。ただ、移設で被害症状が収まる場合もあれば、周辺環境によってはあまり効果のない場合もありますので、それだけが気がかりです。ちーちゃん様が、その後、平穏な生活をお送りになっていることを祈っております。

 被害者は機器所有者、製造メーカー(機器販売者)、ハウスメーカーの三者と交渉することになりますが、今まで当会での相談からすると、三者の中で被害に対して強硬な姿勢をとるのはハウスメーカーである場合が多くありました。製造メーカーはある程度、機械が引き起こすであろう問題(製造物責任法)の可能性を知っているからか、移設に応じてもよいというような気配があるのですが、ハウスメーカーが機器の危険性を認めないことが多かったようです。

例えば、「高崎エコキュート裁判」でも製造メーカーよりもハウスメーカーの方が被害を否定し、裁判に至りました。

エコキュートは約5,6万円、エネファームは約15万円の移設費用で、製造メーカーは所有者の同意があれば、移設は可能とする一方、ハウスメーカーは移設も撤去も必要ないという態度を固持した例が他にもいくつもあります。「機器には問題ない。(被害者の)要求に応じることはない。」というハウスメーカーの姿勢に、所有者まで被害を認めなくなってしまいます。機器設置の場所は隣人の寝室や居間に近くとも、所有者側には水回りに近く、寝室からは遠いという、所有者には都合のよい、最適場所にあるはずで、隣人の苦情のために移設するとなれば、お湯の出に時間がかかるなど、所有者側に不都合も生ずるかもしれません。また、高額な費用をかけて購入した機器の撤去など所有者も考えたくもないでしょう。ハウスメーカーは結局、周辺に配慮するといった観点が抜け落ちていた過失を所有者から攻められることを危惧し、強硬な態度をとっていたのかもしれません。

 

しかし、消費者庁消費者安全調査委員会のエコキュートの報告書やエコキュートやエネファームの据付ガイドブックが出て、ハウスメーカーの意識も次第に変わってきたように思います。

あるハウスメーカー社員の話によると、エコキュートやエネファームでトラブルが発生することが関係者の中では、よく知られるようになり、これらの機器を積極的に施主に勧めることは無くなってきたということです。かつては、国の補助金にハウスメーカーも補助金を追加して、これらの機器の普及推進を図っていましたが、今は、施主の希望がある場合に限って設置することが多いようです。エネファームは設置しても採算は取れず、施主の趣味でつけるものという事業者の話も聞いています。現に、エコキュートが大流行だった一時期とは違って、分譲新築住宅の宣伝チラシには、従来型の給湯器しかついていない物件が多くなっているようです。

 それでも、まだまだ被害は発生しており、一旦被害に遭えば、解決が難しいことは変わりありません。交渉で行き詰まり、結局、新築の住宅を手放さなければならなかった方からの相談もありました。当事者同士の話し合いではうまくいかない場合に、当会では、公害等調整委員会(国)ではなく公害審査会(都道府県)をお勧めしますが、自治体は煩わしいことを避けたいのか、公害審査会に申請しようとする被害者に公害等調整委員会をしつこく勧める自治体もあります。公調委や公害審査会に申請しても不受理になったり、棄却されたりする場合もありますし、この公害調停や裁判所での民事調停でうまくいかなければ、残される道は裁判しかありません。裁判は時間とお金がかかり、その上、立証の困難さや今の低周波音を取り巻く状況では、裁判も非常に難しいものです。一旦被害に遭えば、心身の苦しみは言葉に言い表すことができるものではありません。

しかし、販売開始直後の2000年代に被害に遭った方は、今とは比較にならないほど大変でした。ネットが今ほど普及しておらず、情報もなければ、被害者同士の交流はなく、被害者は体調不良の原因が何かもわからず、雲をつかむようなものでした。周囲の無理解の中、茨の道を歩んできた被害者が一人一人、被害を訴え続けてきたことで、ようやくこの被害が世間に知られ始めてきました。

 

今、被害に苦しむ皆様、今までの被害者の苦しみに心を寄せ、ご自身の被害解決を頑張ってください。そして、ご自身の被害をできるだけ多くの人にお伝えください。それが低周波音に敏感になってしまった私たちが安心して住める環境を守ることにもつながります。



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