調停について


 ある被害者の方からメールがありました。この方は長年、隣家給湯器の点火音や運転音で生活が乱されており、苦情を隣家に伝えても誠意ある対応がなく、思い切って調停を申し立てました。しかし、「調停委員はまるで初回で申し立てを取り下げさせたいかのようでした」ということで、この方は「この調停委員では問題解決は望めない」と判断し、初回で調停を取り下げることになりました。良く似たことを他でも何件か聞いています。申立人と被申立人の間にたって話合いのサポートもせず、合意に導こうとする努力をしないで、簡単に「打ち切りましょうか」と仰る調停委員の方がいらっしゃるようで、一体何のための調停制度なのかと疑問に思っていました。

 それで、ふと思い出しました。いつごろだったか忘れてしまいましたが、以前、新聞記事で「調停の機能強化」という記事を読んだことがあります。それは大阪裁判所に関する記事で、当方には無関係と思ったために記憶が定かではなく、記事を探しましたが、見つかりませんでした。大阪簡裁に問い合わせると、特に「調停の機能強化」は大阪に限ったものではなく、各地でその取組がなされているということでした。検索で、次のような記事が見つかりましたたので、紹介します。

弁護士さんのお話しでは、残念ながら、民事調停の調停委員の資質は非常にばらつきが多く、どのような調停委員にあたるかは運次第ということですが、以下の記事では、理想的な調停が行われるよう尽力されている方もいらっしゃるようですので、このような調停が各地で普通一般に行われるよう期待したいです。



                    (2015年4月20日追加 関連記事http://www.oike-law.gr.jp/wp-content/uploads/oike40-11.pdf 2014年10月)

   
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2014年9月13日 朝日新聞デジタルhttp://www.asahi.com/area/kyoto/articles/MTW20140916270150001.html

裁判官 正木 勝彦さん


 民事調停 解決法の一つ 

 今日は民事調停に関して少しお話をしようと思います。調停は、裁判と異なり、調停委員会が当事者の言い分や当事者から提出された資料などを基に一定の判断に基づいて当事者を説得するなどして、当事者から合意を引き出して紛争を解決する手続きです。調停委員会は、裁判官のほかに、原則2人の民間の有識者や各分野の専門家で構成しています。近頃当事者の権利意識が強く、譲歩して紛争を解決しようとする姿勢に乏しいこともあって、解決困難な事件が増えています。

 私たちは、円満解決を目指して全力を尽くしていますが、時には無力感に襲われたりします。しかし、困難な事件が円満解決すると、判決手続きではめったに味わえない充実感や喜びがあります。特に、調停が無事成立し、それまで対立していた当事者が笑顔で別れていく姿を見ると何か救われたような気分になります。

 私は、調停に直接出席し、当事者に語りかけ、時期を見て当事者を説得する役割を引き受けています。そんなとき、それまでかたくなであった当事者が軟化して解決の方向に動き出したりすると、裁判所に対する国民の信頼を感じ、責任の重さとともに裁判官としてのやりがいを感じます。

 ここ数年調停事件が減少傾向にあります。そこで、裁判所全体として調停制度の広報に努めるとともに、その調停機能の更なる強化のために、各分野の優秀な調停委員を確保して、その研修にも力を入れ、適正で合理性を持った解決に向けて効果的な調停の運営方法を検討するなど様々な取り組みをしています。

 我が国の調停は、裁判所の司法手続きの一環として行っているもので、世界的にも高い評価を受けています。紛争を抱えて困っている方は、解決方法として、ぜひ民事調停も検討していただきたいと思っています。

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