消費者庁消費者安全調査委員会への要望

2014年6月17日

消費者庁消費者安全調査委員会

家庭用ヒートポンプ給湯機(エコキュート)に関するアンケートについて

NPO法人STOP低周波音被害○○○○○ 


 貴職におかれましては、益々御清祥の事とお慶び申し上げます。見出しの件についてNPOから意見を述べさせていただきます。

今春、消費者安全調査委員会からエコキュート調査の一環として、アンケートが被害者に送付されましたが、このアンケートについて当会会員から疑問が寄せられ、検討いたしました。

まず、このアンケートには一般的な質問の他に性格検査が含まれ、それが大部分を占めていますが、この性格検査に関して疑問があります。このような性格検査がなぜなされるのか、被害の実態把握と被害の原因解明、あるいは被害の拡大防止に対し、どのような意義があるのか疑問を抱き、また被害を個人的な性格特性に帰するのではないかという不安を感じております。

被害者は似たような被害症状を訴えている場合が多いのですが、当会が把握する限りにおいて性格などは全く異なるものです。例えば、「原因不明」で、「地域性のない」、「ある症状を呈する病気」に対して、真の原因を追究することもせず、患者の性向を調査することが科学的知見に結びつくでしょうか。環境省は「低周波音の因果関係について科学的知見は不明。科学的知見の収集に努める」と長年、同じ言葉を発し続けていますが、消費者庁がこのような非科学的な性格検査の実施をするとは、むしろ学識経験者の偏向的な姿勢が伺えます。実際、低周波音被害者は長年の間、「神経質である」、「精神的に問題がある」などと、個人の側に問題があるような扱いをされ、被害者は差別的態度をとられてきましたが、このアンケート調査は、まさしく、被害者に対するそのような偏見を具現するものと思われます。

貴庁担当の方にこの性格検査の意義と目的をお尋ねしたところ、「“被害者の性格は一般のそれと何も変わらない”、 “エコキュートの低周波音被害が性格に左右されるものではない”ことを証明する為に行っています」というお返事でした。その言葉を信じるとしても、最初から特定の結論へ導く意図を持って行う調査は、やはり科学的でないと断ぜざるをえません。そのような調査に、多額の経費を使い、徒に時間をかける必要があるでしょうか。我々被害者には時間も余裕もありません。

事故調の専門委員として昨年夏、途中参加された佐藤敏彦氏は環境省の参照値の策定や、風力発電の被害にも深く関与され、唯一の医学系学識経験者として「平成22年度移動発生源の低周波音等に関する検討調査等業」にも検討委員として参加されました。その報告書では次のように述べられています。
「これまでの知見によれば、低周波音曝露による健康影響が出やすい人の特徴として、
/////// ① 精神的疾患を有する人あるいは精神疾患の気質を有する人
/////// ② その他の身体疾患を有する人
/////// ③ 強いストレスを受けている人 などが想定できる。」

また、2003年の横浜市営地下鉄事件では参考人として佐藤氏は国内外の文献を調査し、「低周波音が人体に影響を与えるという知見は無い」と主張なさったように聞いております。
“平成24年度風力発電施設の騒音・低周波音に関する検討調査業務 報告書(平成25年3月)”では「風車騒音には超低周波音あるいはそれに近い低周波数の成分も含まれているが、一般的な風車騒音ではこれらの低周波数成分そのものは感覚閾値以下である。」と述べられており、風車の被害では、「騒音が夜間の睡眠影響などの原因となり、結果的に健康に影響が出る」ものとして、低周波音は問題ではないということのようです。しかし、当方の知る風車の被害者は「煩い音」ではなく、超低周波音の空気振動により、眼振がおこり、めまいや圧迫感を感じています。佐藤氏と同様、末岡伸一氏もまたこの検討委員会のメンバーですが、氏は2003年の「低周波音の取組の現状」(東京都環境科学研究所」2003年)の中で、「超低周波音の関知について、①振動感覚、②加速度感覚、③聴感覚の3つで関知すると言われている。振動感覚については、全身の振動受容器が刺激されるもので、皮膚がピリピリするなどの訴えとなる。加速度感覚は、内耳が刺激により動揺感を受けて、気分が悪くなるなどの影響を与える・・・(原文まま)」と述べています。超低周波音はこのように聴感覚だけではなく、振動感覚、加速度感覚の受容器が感知するものですが、聴感覚を重視し、しかも短期曝露による感覚閾値や参照値での判断が一般になされ、「聞こえない音(超低周波音)は被害を起こさない」という暴言を吐く専門家までいらっしゃいます。
参照値が策定された実験の手法・内容を、もう一度良く吟味し、それが超低周波音の長期暴露に対する知見となるか否か、深く考察されるようお願い致します。又、「心身に係る苦情に関する参照値」と名付けられていますが、この「心身に係る苦情」という言葉が元の実験内容とは切り離されて独り歩きしているように思われます。

つまるところ、このような経歴の持ち主である佐藤氏が事故調専門委員として参加され、給湯器の「参照値以下の低周波音で生じる被害」について肯定なさるとは思えません。また、(風力発電施設の騒音・低周波音に関する検討調査業務平成25年3月)の健康影響に係る小委員会で、佐藤氏とともにメンバーであった久留米大教授石竹達也氏は現在、環境省の“環境研究総合推進費「風力発電等による低周波音・騒音の長期健康影響調査に関する疫学研究」”を行っていますが、サイトによると「研究目的は風力発電施設による低周波音・騒音ばく露が長期健康影響の危険因子である可能性について検討すること、 すなわち健康に影響がないと証明することが目的です」とあります(つまり、帰無仮説では無いということです)。佐藤氏はエコキュート、石竹氏は風力発電とそれぞれ役割分担して低周波音被害を否定する御意向ではないかと思われます。

環境省は、低周波音と健康被害について「科学的知見が不明、その科学的知見の収集に努める」と長年、ことあるごとに同じ見解を繰り返していますが、性格検査等よりも科学的な方法をお使いになっていただきたいと思います。一つ、素人の意見としてお聞きいただければと思いますが、
大橋力氏は「伊豆半島の風力発電に関する有識者会議第1回会議」(H氏発言
)で、耳には聞こえない超高周波音は基幹脳の血流の促進、快さを現す脳波であるα波の増強、免疫活性の上昇など、心身を癒す効果(hypersonic effect)を持っており、それが当時の学説を覆すものであったことを述べています。医学の教科書に記述があるように、不可聴域の超低周波音が超高周波音とは逆の不快な症状を引き起こし、健康に悪影響をもたらすことを、低周波音環境下で脳血流を実際に測定することで明らかにすることが会議でも検討されていました。
新しく開発された光トポグラフィーはストレスによる抑うつ状態を客観的に測定する有効な方法ということで、「光トポグラフィー検査によるアトピー性皮膚炎患者のうつ状態のチェック ~アトピー性皮膚炎のストレスを光トポグラフィー検査で可視化」などのような研究にも使われています。
被害現場の、振動を伴う低周波音の状況のなかで、携帯型光トポグラフィーなどの利用によって、低周波音によるストレスを解明することはいかがでしょうか。多くの被害者は被害現場で、不眠に苦しみ、うつ状態に陥っています。

長い間、エコキュート被害者のみならず、低周波音被害者は世間からの理解を得られず、孤立した苦しい環境に耐えて、平穏な生活を取り戻すべく闘ってきましたが、事故調の調査選定や高崎裁判の報道により、エコキュート被害が徐々に社会に浸透し始め、被害者負担で機器移設をお願いしていた時代から、漸く事業者負担で機器撤去するケースが出てくるまでになってきました(別紙資料 話し合いによる解決)。低周波音被害者は被害者同士の連帯によってこのように解決までの道筋をつけ、後続の被害者に希望と勇気を与えています。

従って、この低周波音被害解決の流れに逆行するようなことは決してなさらないでください。時代の要求に合わせ、製品との共存を探りたいと事故調はお考えであると聞いておりますが、この貴重な調査の機会を被害者救済のために使ってくださるよう、切にお願いいたします。

事故調査委員会は発足から少人数で苦労されており、被害者の為に被害に向き合ってくれる、被害者にとってありがたい存在であり、被害拡大防止の唯一の希望だと信じる私達被害者を裏切るようなことはなさらないでください。
                                                
スポンサーサイト
17:管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する