KRさん、その後

 前記事「留まるは苦痛、逃げるは苦労」で、KRさんのことを書いた。近々、高齢者施設に入居することになっていたKRさんに、事前の体験入居を勧めたところ、KRさんは娘さん家族とともに、確認のために施設を訪れた。娘さん家族は4人で、そのうち3人が低周波音に敏感である。今回の訪問では、KRさんを含めて4人が異常を感じた。前回の見学時には感じなかった低周波音をそれぞれ感じており、「何かあるはず」と周辺を探索したところ、近くの民家にエコキュートを発見した。
 施設は小高い丘にあり、周辺は1軒の民家を除いて野山と畑で、都会の喧騒から隔絶された場所にある。長年、都市部に住んできたKRさんは静謐な環境を求めて、この地を選んだのであろうが、このような場所にさえ、エコキュートは普及している。エコキュートから施設まで約30m。長期間の低周波音による暴露で非常に敏感になってしまったKRさんやご家族には、このような自然の中の環境でさえ、もう住むことができない。



 結局、KRさんは施設入居を諦めることになった。その失望感は半端ではなく、KRさんご主人は失意のあまり、不機嫌な毎日を過ごしていると聞いている。
 KRさんは、安全に暮らせる場所を求め、あれやこれやと検討し、やっと入居可能な施設を探しだした。そして、一室を確保して、あと1室の空きを心待ちにしていた。その気持ちを考えるとかける言葉も見つからない。入居した後で問題が発覚してはもっと大変なことになっていたと思うことで、これもまた受け止めざるを得ない。

 自然災害でもなく、単なる隣家のエコキュートによる被害で、自宅に住めず、難民となった悲劇である。






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